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分電盤・キュービクルの銅バー選定|サイズと取付の決め方

分電盤・制御盤・キュービクルに使う銅バー(ブスバー・バスバー)は、設置先によってサイズの決め方と取付の勘所が変わります。結論から言うと、電流値から断面積を逆算し、取付ビスの締め付けトルクと相間の離隔距離を規格に沿って確認するのが基本の流れです。この記事では、盤の種類ごとの選び方の違い、取付ビスサイズの目安、離隔距離の考え方、発注前に確認すべき項目を整理します。

銅バー
分電盤
制御盤
キュービクル
アースバー
取付
JIS

分電盤・制御盤・キュービクルで銅バー(ブスバー)の選び方はどう違うか

盤の種類によって、確認すべき優先順位が変わります。分電盤は分岐数とビスサイズ、制御盤は配線の取り回しと絶縁、キュービクルは規格適合と相間離隔が中心です。

分電盤・制御盤

  • 低圧(600V以下)が中心。分岐回路の数とブレーカー端子に合わせたビス穴位置がポイント
  • 盤内が狭く、配線と干渉しない取付方向・曲げ形状が必要になりやすい
  • アースバー(接地バー)を別に設ける場合はサイズを主回路と混同しない

キュービクル(高圧受電設備)

  • 6.6kVなど高圧側の母線を含むため、JIS C 4620など該当規格への適合確認が前提
  • 相間・対地の離隔距離、支持がいし(碍子)の絶縁・機械強度の確認が必須
  • 短絡電流に対する熱的・電磁力的な強度も設計時に押さえる

前提

低圧の分電盤・制御盤で使う銅バーと、高圧キュービクルの母線は、同じ「銅バー」でも確認すべき規格・数値が異なります。この記事は低圧側の選定・取付を中心に、キュービクルは規格適合の考え方に絞って解説します。個別の数値は必ず該当設備の仕様書・規格原典で確認してください。

電流値からサイズを決める手順

サイズは「必要な電流値 → 電流密度の目安で断面積を逆算 → 標準寸法に当てはめる」の順で決めます。

盤内銅バーのサイズは、まず主回路や分岐回路で流れる電流値を確定させることから始まります。そのうえで、断面積あたりの電流密度の目安(周囲温度・盤内の換気条件によって変わる値。一般的な目安として1mm²あたり2〜3A程度が参照されることが多いですが、盤の密閉度や隣接発熱源の有無で変わるため、必ず個別の温度上昇確認と併用してください)から必要断面積を逆算し、流通している平角銅バーの標準寸法(幅・板厚)に当てはめます。

注意

電流密度の目安値だけで断面積を決め切ると、密閉型の盤や複数バーが近接するレイアウトでは想定より温度上昇が大きくなることがあります。可能であれば温度上昇試験、または過去の実績値との比較で裏付けを取ってから最終寸法を確定してください。

盤メーカー各社は100A〜400A程度の範囲で標準品の銅バー(端子・ねじ穴を加工済みのもの)を用意していることが多く、タップ加工の手間を省ける点が特長です。標準品の定格に近い電流値であれば、まず既製品の寸法表と照合し、それでも合わない場合に特注(板厚・幅・ビス穴位置の個別指定)を検討する順番が効率的です。

電流値と断面積の対応イメージ(目安・盤内条件により変動)

電流値の目安 断面積の目安 備考
100A前後 30〜40mm²程度 標準品の入手性が高い範囲
200A前後 60〜80mm²程度 電流密度2.5A/mm²前後を参照する例が多い
400A前後 150〜160mm²程度 複数枚並列や積層構成も選択肢になる

電流値と断面積の対応イメージ(目安・盤内条件により変動)

100A前後

断面積30〜40mm²程度(標準品の入手性が高い範囲)

200A前後

断面積60〜80mm²程度(電流密度2.5A/mm²前後を参照する例が多い)

400A前後

断面積150〜160mm²程度(複数枚並列や積層構成も選択肢)

取付ビスサイズと締め付けトルクの目安

端子ねじはM5・M6が使われることが多く、締め付けトルクは機器メーカーごとに規定値が異なるため、必ず個別の取扱説明書で確認します。

端子ねじサイズと締め付けトルクの目安(参考値)

ねじサイズ 参考トルク 主な用途
M5 2.0〜3.5 N・m 分岐回路・小容量ブレーカー端子
M6 2.5〜5 N・m 主回路・中容量ブレーカー端子
M8以上 機器仕様書を確認 大電流の主母線・幹線接続

端子ねじサイズと締め付けトルクの目安(参考値)

M5(分岐回路・小容量ブレーカー端子)

参考トルク 2.0〜3.5 N・m

M6(主回路・中容量ブレーカー端子)

参考トルク 2.5〜5 N・m

M8以上(大電流の主母線・幹線接続)

機器仕様書を確認

コツ

ねじサイズと必要な穴ピッチ・座ぐりは、接続先のブレーカーや端子台のカタログで先に確認してから図面に反映すると手戻りが減ります。当社では図面段階でこの整合を確認したうえで穴あけ・タップ加工まで対応しています。

相間の離隔距離と絶縁の考え方

離隔距離は電圧・短絡電流・設置環境で決まる規格事項のため、目安値を鵜呑みにせず該当規格と設備仕様書で確認するのが基本です。

低圧の分電盤・制御盤では、盤メーカーの設計基準や内線規程に沿った相間・対地距離の確保に加え、必要に応じて絶縁カバーや熱収縮チューブでの防護を組み合わせます。高圧側を含むキュービクルでは、JIS C 4620(キュービクル式高圧受電設備)が母線まわりの要求事項を定める代表的な規格です。同規格は2023年に改正版(JIS C 4620:2023)が発行されており、2026年時点ではこの版が現行の参照先になります。改正内容の詳細や具体的な数値は規格原典で確認し、この記事では断定を避けます。

最新状況(2026年時点)

キュービクル式高圧受電設備の規格はJIS C 4620:2023が現行版です。既存設備の更新や新設の仕様検討では、旧版(2018年版など)からの変更点の有無を設計時に確認しておくと手戻りを防げます。

主母線と分岐母線の違い

主母線は受電容量全体を受け持ち、分岐母線は各回路に振り分ける役割のため、同じ盤内でもサイズと確認項目が異なります。

主母線と分岐母線の考え方の違い

  • 主母線: 受電容量(契約電流・変圧器容量)から必要断面積を決める。短絡電流に対する熱的・機械的強度の確認が重要
  • 分岐母線(分岐バー): 各分岐回路のブレーカー定格電流から個別に決める。分岐数が多いほどビス穴位置・ピッチの管理が煩雑になりやすい
  • 主母線側で余裕を持たせても、分岐母線側の選定を誤ると個別回路で発熱・電圧降下の問題が出ることがある

分岐母線(分岐バー)そのものの役割・サイズの決め方をさらに詳しく知りたい場合は、ブスバーとはの解説記事もあわせてご覧ください。銅ブスバーとアルミなど他導体との使い分けは銅ブスバーのメリットで整理しています。

発注前に確認しておきたい項目

盤の種類・電流値・接続先の端子仕様・板厚とビス穴位置の4点を先に固めておくと、見積もりと図面のやり取りがスムーズになります。

発注前チェックリスト

  • 盤の種類(分電盤/制御盤/キュービクルなど)と定格電圧
  • 主回路・分岐回路それぞれの電流値(定格・想定最大)
  • 接続先のブレーカー・端子台の端子ねじサイズと穴ピッチ
  • 板厚・幅の希望寸法(未定の場合は電流値と用途を伝えれば相談可能)
  • めっきの要否(錫・ニッケル・銀など、接続環境に応じて)
  • 絶縁カバーや熱収縮チューブなど絶縁処理の要否

図面が手元にない段階でも、上記の情報が分かれば相談は可能です。加工技術の詳細は加工技術のページ、めっきの選び方は銅ブスバーへのめっきで解説しています。

取付イメージ

盤フレーム ── 支持がいし/絶縁ブロック ── 銅バー
                                   └── 端子ねじ(M5/M6) + 座金 + ナット
                                        └── ブレーカー/端子台の端子部
  

銅バーは盤フレームに直接ではなく、支持がいしや絶縁ブロックを介して固定し、接続先の端子部とはねじ・座金で締結するのが基本の構成です。振動が想定される設置環境では、緩み止め座金の併用も検討します。

端子ねじサイズ別・参考締め付けトルクの目安(N・m)

M5
2.0〜3.5

M6
2.5〜5

注意

締め付けトルクは端子・ブレーカーのメーカー仕様によって規定値が異なります。上記は複数の一般的な資料から見た目安幅であり、実際の作業では必ず接続先機器の取扱説明書に記載された値を優先してください。

よくあるご質問

分電盤の銅バーと制御盤の銅バーは同じものを使えますか

同じ規格・材質の銅バーを使うこと自体は可能ですが、盤ごとに分岐数・電流値・端子仕様が異なるため、サイズやビス穴位置は個別に決める必要があります。図面を流用する場合は電流値と端子仕様の違いを必ず確認してください。

キュービクルの母線にも銅バーは使えますか

高圧側の母線にも銅(平角銅)は使われますが、JIS C 4620など該当規格への適合、相間・対地の離隔距離、短絡電流に対する強度確認が前提になります。低圧の分電盤・制御盤と同じ感覚でサイズを決めることはできません。

取付ビスのサイズはどう決めればよいですか

接続先のブレーカーや端子台の端子ねじサイズに合わせるのが基本です。M5・M6が使われる場面が多いですが、機器のカタログや取扱説明書に記載されたサイズ・締め付けトルクを優先して確認してください。

主母線と分岐母線でサイズの決め方は違いますか

はい。主母線は受電容量全体から、分岐母線は各回路のブレーカー定格電流から個別に決めます。分岐数が多い盤ほど、分岐母線側の穴位置・ピッチ管理が複雑になりやすい点に注意が必要です。

板厚や寸法が決まっていなくても相談できますか

可能です。盤の種類・電流値・接続先の端子仕様が分かれば、寸法の相談から対応できます。図面がない場合は手書きスケッチや現物写真でも構いません。

銅ブスバーの加工・お見積りは、お気軽にご相談ください

図面1枚から、手書きスケッチや現物の写真でもご相談いただけます。試作・小ロット・短納期にも対応しています。

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