用途・事例

データセンターの高電圧直流配電で銅ブスバー設計はどう変わるか

データセンターの給電が交流から高電圧直流(HVDC)へ移ると、銅ブスバー(銅バスバー)の設計は「大きくする」方向から「電流を下げて小さくする」方向に反転します。同じ1MWを運ぶなら、54Vでは約18,500A、800Vなら約1,250Aで済むため、必要断面積は1桁以上小さくなります。一方で、直流にはゼロクロス(電流が0になる瞬間)が無いこと、極性があること、絶縁が汚損に弱くなることなど、交流母線では意識しなかった条件が新たに設計を縛ります。この記事では、直流配電で銅ブスバーの何が変わり、何が変わらないのかを、数値と図面指示の観点から整理します。

データセンター
直流配電
HVDC
800VDC
銅ブスバー
母線設計
大電流

データセンターの高電圧直流配電とは何か

データセンターの高電圧直流配電(HVDC給電)とは、受電した交流を建物側の整流器で一度だけ直流に変換し、その直流電圧のまま各ラックや機器まで配る給電方式です。従来の交流給電で何度も繰り返していた交流/直流の変換段数を減らせるため、変換損失と部品点数が減り、母線側では「電圧を上げて電流を下げる」設計が可能になります。

通信・ICT機器向けの400V級直流給電については、ITU-T勧告 L.1200 が入力インターフェースを定めており、通常時の直流電圧範囲として260〜400Vが示されています。国内でも、交流200Vを直流380Vへ変換するHVDC整流装置(変換効率は最大96%クラス)が実用化され、商用データセンターへの採用例があります。つまりHVDC給電自体は新しい発想ではなく、AI用途で電力密度が跳ね上がったことで、電圧帯が400V級から800V級へ一段上がろうとしているのが現在の状況です。

交流給電と高電圧直流給電の構成の違い

項目 従来の交流給電 高電圧直流給電(HVDC)
変換の回数 受電→UPS→分電→電源で複数回 建物側で1回に集約
配る電圧 交流 400V/200V 系 直流 380〜400V/800V 級
ラック内の母線 電源シェルフから低電圧・大電流 高電圧・小電流に置き換え
母線の主な制約 表皮効果・短絡電磁力・温度上昇 温度上昇・絶縁・極性・接触抵抗
遮断のしやすさ 半サイクルごとに電流が0になる ゼロクロスが無く難しい

交流給電と高電圧直流給電の構成の違い

変換の回数

交流:受電→UPS→分電→電源で複数回 / 直流:建物側で1回に集約

配る電圧

交流 400V/200V 系 / 直流 380〜400V・800V 級

ラック内の母線

交流:電源シェルフから低電圧・大電流 / 直流:高電圧・小電流に置き換え

母線の主な制約

交流:表皮効果・短絡電磁力・温度上昇 / 直流:温度上昇・絶縁・極性・接触抵抗

遮断のしやすさ

交流:半サイクルごとに電流が0になる / 直流:ゼロクロスが無く難しい

要点:HVDCは「変換を1回に集約し、高い電圧のまま直流で配る」方式。母線は高電圧・小電流側にシフトする。

2026年時点で何が動いているか

2026年時点では、AI向けデータセンターの800V級直流配電が「検討」から「製品化」の段階に入っています。半導体・電源・受配電の各社が同じ電圧帯に揃い始めたため、母線を作る側にも2026〜2027年にかけて仕様の問い合わせが増える見込みです。

最新の状況(2026年8月時点で確認できる範囲)

  • NVIDIAは、AIファクトリー向けに800V直流アーキテクチャを打ち出し、2026年に対応製品群を揃え、ラックスケール世代と合わせて2027年の本格量産を見込むとしている
  • 電源メーカー側では、800VDC/±400VDC対応システムの量産開始を2026年の年央〜後半に置き、出荷のピークを2027年とする計画が示されている
  • 半導体側も2026年3月に800VDC向けの電源アーキテクチャ一式が発表され、受配電設備メーカーを含む供給網が同じ電圧帯で動き始めている
  • データセンター事業者主導の共同仕様でも400VDC/800VDCの標準化が進み、2026〜2028年が導入の入口とされている

いずれも各社の公表計画であり、実際の採用時期・電圧の呼び方(800VDC/±400VDC)は案件ごとに異なります。母線を設計・発注する際は、必ず対象案件の仕様書で電圧と極性構成を確認してください。

ここで押さえておきたいのは、電圧帯が400V/800Vへ寄っていく背景に、電気自動車向けで既にその電圧帯の部品が量産されているという事情があることです。部品の入手性とコストの面で有利なため、データセンター側もこの電圧帯に合わせようとしています。銅ブスバーの観点でも、EV・蓄電池向けで蓄積した高電圧・大電流の設計勘所が、そのままデータセンター向けに使えます。

要点:800V級への移行は2026年に製品が出そろい、2027年前後が本番。母線側の準備は今から始まっている。

直流配電で銅ブスバーの設計は何が変わるか

直流配電で変わるのは主に4点です。①表皮効果を考えなくてよくなる、②電圧が上がる分だけ電流が下がり断面積を減らせる、③絶縁と離隔が直流基準になる、④極性の管理が新たに必要になる、です。逆に、温度上昇・接触抵抗・締結管理といった「発熱にまつわる基本」は交流とまったく同じで、緩められません。

表皮効果がなくなる意味

交流では、導体内部の磁界変化により電流が表面へ寄る表皮効果が起きるため、板厚を増やしても中心部が使われず、電流容量が板厚に比例して伸びません。直流には表皮効果がないので、断面積をそのまま使えます。結果として、直流母線では厚板1枚で断面を稼ぐ設計が成立しやすく、交流で多用する「薄板を隙間をあけて複数枚並べる」構成の必要性が下がります。

交流母線と直流母線で、設計項目の効き方はどう違うか

設計項目 交流母線 直流母線
表皮効果の補正 必要(厚板は効率が落ちる) 不要
近接効果・相間干渉 考慮する ほぼ考慮不要
断面の使い方 薄板の複数枚並列が有利になりやすい 厚板1枚でも断面を有効に使える
温度上昇・許容電流 必要 同じく必要(変わらない)
接触抵抗・締結管理 必要 同じく必要(変わらない)
絶縁・沿面距離 交流電圧基準 直流電圧基準(汚損の影響が出やすい)
極性・誤接続対策 相順の管理 +/−の管理が必須
電磁力(短絡時) 考慮する 直流短絡でも発生。考慮する

交流母線と直流母線で、設計項目の効き方はどう違うか

表皮効果・近接効果

交流:補正が必要 / 直流:不要

断面の使い方

交流:薄板の並列が有利 / 直流:厚板1枚でも有効

温度上昇・許容電流

どちらも必要(直流でも緩められない)

接触抵抗・締結管理

どちらも必要(直流でも緩められない)

絶縁・沿面距離

交流:交流電圧基準 / 直流:直流電圧基準・汚損の影響大

極性・誤接続対策

交流:相順管理 / 直流:+/−の管理が必須

短絡時の電磁力

直流短絡でも発生するため、支持設計は同様に必要

コツ

直流母線は「表皮効果の縛りが外れる」ので、厚板を使って幅を抑える設計余地が生まれます。盤やラックの奥行き・離隔が厳しい案件では、板厚を上げて幅を詰める方向が有効です。厚板側の加工は加工技術のページで扱っている領域で、曲げRと展開長の管理が精度の要になります。

要点:直流で外れる制約は表皮効果と相間干渉。外れないのは温度上昇・接触抵抗・締結管理。

高電圧化で銅が減るのはなぜか(数値で確認)

高電圧化で銅が減るのは、同じ電力を送るとき電流が電圧に反比例して下がり、必要断面積も電流に比例して下がるからです。1MWのラックを想定すると、54Vでは約18,500A必要な電流が、800Vでは約1,250Aで足ります。約15分の1です。

電流 I (A) = 電力 P (W) ÷ 電圧 V (V) / 必要断面積 A (mm²) ≒ I (A) ÷ 電流密度 (A/mm²)

1MWのラックに必要な母線電流(電圧別・概算)

54VDC
約18,500A

400VDC
約2,500A

800VDC
約1,250A

この差は、そのまま銅の重量に跳ね返ります。NVIDIAの公表資料では、54V配電の1MWラック1本で銅母線が最大200kg規模になり、1GW級のデータセンター全体ではラック母線だけで最大200,000kg規模の銅が必要になるとされています。同社は800V直流配電により、従来構成に比べて銅の使用量を最大45%削減できるとしています。削減率が「電流比の15分の1」まで行かないのは、母線以外の導体や、絶縁・支持・接続部の都合で断面を電流だけでは決められないためです。

注意:電流が下がっても、接続部の管理は緩められない

電流が15分の1になっても、接続部の発熱は接触抵抗と電流の2乗で効くため、締結不良の影響は消えません。むしろ断面が小さくなる分、接触面積も小さくなり、同じ接触抵抗の悪化がより高い温度上昇に直結します。ボルト締結のトルク管理・座面の平面度・めっきによる酸化防止は、直流でも交流と同じか、より厳しく見る必要があります。

電圧降下も確認しておきます。銅の抵抗率は20℃で約1.72×10⁻⁸ Ω·m、温度が上がると抵抗も上がる(温度係数は約0.0039/K)ため、90℃付近では2割強増えます。断面積480mm²(厚さ8mm×幅60mm)の母線を10m、1,250Aで通電した場合、常温側の抵抗は約0.36mΩ、電圧降下は約0.45Vで、800Vに対して0.06%程度です。54V・18,500Aで同じ距離を送ろうとすれば、この母線1本ではまったく足りず、断面を1桁増やしても電圧降下の比率が数%に達します。高電圧化の効果は、断面積の削減だけでなく、電圧降下と損失の余裕としても現れます。

抵抗 R (Ω) = 抵抗率 ρ (Ω·m) × 長さ L (m) ÷ 断面積 A (m²) / 電圧降下 ΔV (V) = I × R

要点:電流は電圧に反比例して下がるが、削減率は母線以外の条件でも決まる。接続部の管理は緩めない。

直流母線の許容電流と温度上昇はどう決めるか

直流母線の許容電流は、交流と同じく「断面積」「許容温度上昇」「設置条件(周囲温度・配置・表面状態)」で決まります。違うのは表皮効果の補正が不要な点だけで、電流密度の目安をそのまま断面積に掛けられます。実務では電流密度2〜3A/mm²程度を出発点に置き、周囲温度と配置で下方修正するのが一般的です。

平角銅の断面積と直流通電時の目安電流(電流密度2〜3A/mm²と仮定した概算)

板厚 × 幅 断面積 目安電流(2A/mm²) 目安電流(3A/mm²)
5mm × 40mm 200mm² 約400A 約600A
6mm × 50mm 300mm² 約600A 約900A
8mm × 60mm 480mm² 約960A 約1,440A
10mm × 80mm 800mm² 約1,600A 約2,400A
10mm × 100mm 1,000mm² 約2,000A 約3,000A
12mm × 125mm 1,500mm² 約3,000A 約4,500A

平角銅の断面積と直流通電時の目安電流(電流密度2〜3A/mm²と仮定した概算)

5mm × 40mm / 断面積 200mm²

目安 約400〜600A

6mm × 50mm / 断面積 300mm²

目安 約600〜900A

8mm × 60mm / 断面積 480mm²

目安 約960〜1,440A

10mm × 80mm / 断面積 800mm²

目安 約1,600〜2,400A

10mm × 100mm / 断面積 1,000mm²

目安 約2,000〜3,000A

12mm × 125mm / 断面積 1,500mm²

目安 約3,000〜4,500A

この表の前提

上の数値は電流密度を仮定した概算であり、規格値ではありません。盤内の帯状導体の電流密度は JIS C 8480(配電盤・制御盤)などで扱われており、実際の設計では対象規格と、周囲温度・取付姿勢(垂直/水平)・密閉度・表面処理の条件を確認してから決めます。前述の800VDC・1MWラック(約1,250A)であれば、この表では8mm×60mm前後が出発点になりますが、これは検討の入口の数字と考えてください。

取付姿勢の影響も直流でも同じように出ます。同じ断面積でも、垂直に立てて板面が空気に触れる配置のほうが放熱に有利で、水平に寝かせて重ねると条件は悪くなります。周囲温度も、データセンターの電源室が高めに管理されている場合は、その分だけ許容電流を下げて見ます。

要点:直流でも許容電流の決め方は同じ。違いは表皮効果の補正が不要な点だけ。

直流特有の注意点(アーク・極性・絶縁・電食)

直流配電で新たに効いてくるのは、アークが消えにくいこと、極性があること、絶縁が汚損と水分の影響を受けやすいこと、漏れ電流による腐食(電食)が起きうることの4点です。いずれも母線単体では解決できず、絶縁・離隔・表示・防護を含めた形で対策します。

ゼロクロスが無いこと

交流は半サイクルごとに電流が0になるため、その瞬間にアークが消えます。直流は電流が0になる瞬間が無いので、いったんアークが生じると自然には消えません。これは主に遮断器側の課題ですが(交流用遮断器を直流回路に流用できないのはこの理由です)、母線側でも、充電部間の離隔を確保し、工具の落下や異物の侵入でアークを起こさない防護を前提に設計する意味が交流より大きくなります。

±400V構成での離隔の考え方

  +400V 母線 ──┬────────── 負荷(+側)
                │
  中性点  ───────┼────────── 中性線/接地
                │
  −400V 母線 ──┴────────── 負荷(−側)

  ・+母線と−母線の間 … 800V相当の絶縁が必要
  ・各母線と中性点の間 … 400V相当
  ・母線と接地金属の間 … 400V相当
  → 「800V」と呼ばれても、区間ごとに必要な絶縁は異なる
  

極性の管理

交流の相順違いは主に回転方向の問題ですが、直流の極性違いは機器の破損に直結します。母線側では、+/−が形状や取付位置だけで判別できないケースが多いため、色分け・刻印・取付穴の非対称化といった誤組付け防止の作り込みが有効です。図面段階で「どの面にどの表示を入れるか」まで決めておくと、現場での取り違えを防げます。

絶縁と沿面距離

直流電圧は交流と違って向きが一定なので、絶縁物の表面に汚れや水分が付くと、イオンが一方向に移動し続けて沿面の劣化が進みやすくなります。同じ電圧値でも、直流のほうが沿面距離を厳しく見るべき理由がここにあります。粉体塗装や熱収縮チューブで母線を絶縁する場合は、膜厚だけでなく端部の処理(塗装の抜け・チューブの縮み残り)まで指定してください。銅ブスバーへのめっきと絶縁処理は目的が違い、めっきは接続面の酸化防止と接触抵抗の安定、絶縁は充電部の保護です。両方が必要な場合は「接続面はめっき・それ以外は絶縁」という指定になります。

漏れ電流による腐食(電食)

直流では、絶縁の低下や意図しない経路で微小な直流電流が流れ続けると、金属が一方向に溶解する腐食が進みます。交流でも異種金属接触腐食は起きますが、直流の漏れ電流による腐食は進行が一方向で止まらない点が違います。屋外に近い環境や結露が起きうる場所では、絶縁の維持と、異種金属を直接接触させない設計(銅とアルミを直付けしない、間にめっきや専用部材を入れる)が重要になります。

注意

「直流だから交流より簡単」という前提で母線を設計すると、絶縁・極性・アークの3点で想定外が出ます。表皮効果が無くなる分は確かに有利ですが、その分を余裕として使い切らず、絶縁と離隔の側に残しておくほうが安全です。

要点:直流で増える宿題は、消えないアーク・極性表示・沿面劣化・電食の4つ。

設計・発注時に確認しておく項目

直流母線の製作を依頼するときは、電流値と寸法だけでなく、電圧の構成(800VDC か ±400VDC か)、絶縁の要否と方法、極性表示の指定を最初に伝えると手戻りが減ります。この3点が抜けていると、材料手配後に絶縁工程が追加され、納期が伸びる原因になります。

図面に入れておきたい項目

  • 材質・質別(C1100 / C1020、O材 / 1/2H など)
  • 板厚 × 幅 × 展開長、曲げ位置と曲げR
  • 穴位置・穴径・穴ピッチ公差、縁距離
  • めっきの種類・厚み・範囲(接続面のみ/全面)
  • 絶縁方法(粉体塗装・熱収縮チューブ)と範囲・膜厚
  • 極性表示(刻印・色)の内容と位置

図面が無い段階で伝えたい情報

  • 定格電流と連続/短時間の区別
  • 直流電圧と極性構成(800V/±400V)
  • 周囲温度と許容温度上昇、設置姿勢
  • 短絡電流と通電時間(支持設計に効く)
  • 相手側の端子形状とボルトサイズ
  • 数量・希望納期・試作か量産か

直流母線の検討を進める順番

  • 電力と直流電圧から必要電流を出す(P ÷ V)
  • 電流密度の目安から断面積の候補を出す
  • 設置姿勢・周囲温度・密閉度で下方修正する
  • 電圧降下と損失を確認し、断面と経路長を調整する
  • 極性間・対地の絶縁と離隔を、電圧構成ごとに確認する
  • 接続部(ボルト・めっき・トルク)と支持間隔を決める
  • 形状が決まったら加工性(曲げR・展開長・板取り)を確認する

当社(株式会社石垣商店・名古屋市守山区)は、変圧器・配電盤・受配電設備・電池関連向けの銅ブスバー加工を手がけており、切断・曲げ・穴あけからめっき手配までを一括で見ています。データセンター向けの高電圧直流母線も、必要な情報は交流の盤内母線と大きく変わりません。ブスバーそのものの基礎から確認したい場合はブスバーとはのページも参考にしてください。図面が無い段階のスケッチや現物写真からでもご相談いただけます。

要点:電圧構成・絶縁・極性表示の3点を最初に伝えると、見積りと納期が早く固まる。

よくあるご質問

データセンターの直流配電で、銅ブスバーの断面積はどのくらい小さくできますか

同じ電力なら電流は電圧に反比例するため、54V配電から800V配電へ移ると電流は約15分の1になり、必要断面積も同程度まで下げられます。ただし絶縁・支持・接続部の都合で電流だけでは断面を決められないため、銅の使用量の削減幅はこれより小さくなります。NVIDIAは800V直流配電で従来構成比 最大45%の銅削減が可能としています。

直流のブスバーでは表皮効果を考えなくてよいのですか

直流には表皮効果がないため、交流のように板厚を増やしても中心部が使われないという問題は起きません。断面積をそのまま許容電流の計算に使えるので、厚板1枚で断面を稼ぐ設計が成立しやすくなります。一方で温度上昇と接触抵抗の管理は交流と同じく必要です。

800VDCと±400VDCは、母線の絶縁設計では同じものとして扱えますか

同じものとしては扱えません。±400V構成では、+母線と−母線の間には800V相当の絶縁が必要ですが、各母線と中性点・接地の間は400V相当です。区間ごとに必要な絶縁と離隔が違うため、母線を設計・発注する際は「800V」という呼び方ではなく、極性構成まで含めて仕様を確認してください。

直流母線で絶縁を厳しく見るべき理由は何ですか

直流は電圧の向きが一定なので、絶縁物の表面に汚れや水分が付くとイオンが一方向に移動し続け、沿面の劣化が進みやすくなります。また絶縁低下による微小な直流の漏れ電流は、金属を一方向に溶解させる腐食(電食)を引き起こします。同じ電圧値でも交流より沿面距離と絶縁の維持を厳しく見るのが安全側の判断です。

直流回路のブスバーでも短絡時の電磁力を考える必要はありますか

必要です。電磁力は電流が流れることで発生するため、直流の短絡でも導体間に力が働き、支持物と締結部に負担がかかります。加えて直流はゼロクロスが無く遮断に時間がかかる場合があるため、通電時間を含めた熱的強度の確認も交流と同様に行ってください。

銅ブスバーの加工・お見積りは、お気軽にご相談ください

図面1枚から、手書きスケッチや現物の写真でもご相談いただけます。試作・小ロット・短納期にも対応しています。

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