施工・保守

ブスバーの絶縁距離とは?沿面距離と空間距離の違いと確保の考え方

ブスバーの絶縁距離は、空間(空気)を突っ切る最短距離である「空間距離」と、絶縁物の表面を伝う最短距離である「沿面距離」の2つに分けて確保します。この2つは壊れ方が違うため、片方だけ足りていても事故は防げません。この記事では、両者の定義、どの規格を見ればよいか(よく引用される JIS C 0704 は2009年に廃止済みです)、沿面距離を決める4つの条件、そして盤内でブスバー側からできる実務の工夫までを、2026年時点の参照先とあわせて整理します。

ブスバー
絶縁距離
沿面距離
空間距離
汚損度
JIS C 60664-1
配電盤
銅ブスバー加工

ブスバーの絶縁距離とは何か(空間距離と沿面距離の違い)

絶縁距離とは、電圧のかかった導体と、別の導体または接地金属との間に確保すべき距離のことです。これは「空間距離」と「沿面距離」の2種類に分けて考えます。JIS C 60664-1:2009(低圧系統内機器の絶縁協調-第1部)では、それぞれ次のように定義されています。

規格上の定義(JIS C 60664-1:2009)

空間距離…2導電部間の空間における最小の距離

沿面距離…2導電部間の絶縁物の表面沿いの最小の距離

配電盤の中に置かれた3相のブスバーで考えると分かりやすくなります。R相とS相のバーの間には空気があり、その空気を最短で横切る寸法が空間距離です。一方、2本のバーは同じ支持碍子や絶縁板の上に載っているので、その絶縁物の表面をたどっていく経路も存在します。こちらが沿面距離です。

同じ2本のバーに、2つの距離がある

   R相バー                     S相バー
   ┏━━━┓                     ┏━━━┓
   ┃   ┃ ←── 空間距離 ──→   ┃   ┃   (空気を直進する最短距離)
   ┗━━━┛                     ┗━━━┛
 ━━┷━━━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┷━━━┷━━
   └────── 沿面距離 ──────────────┘
        (絶縁物の表面をたどる最短距離)
     絶縁支持板 / 支持碍子

空間距離(クリアランス)

  • 媒体は空気
  • 破壊の形は気中放電・絶縁破壊
  • 主に過電圧(サージ)の大きさで決まる
  • 湿度・汚れの影響は相対的に小さい
  • 足りなければ離すしかない

沿面距離(クリーページ)

  • 媒体は絶縁物の表面
  • 破壊の形はトラッキング(表面の炭化導通)
  • 主に汚れ・結露・材料の性質で決まる
  • 時間をかけて進行する劣化型の故障
  • 溝・リブ・絶縁物の形状で稼げる

空間距離は「空気をどれだけ空けたか」、沿面距離は「絶縁物の表面をどれだけ長く回らせたか」。同じ2本のバーに対して、必ず両方を確認します。

なぜ2つに分けるのか — 壊れ方がまったく違う

空間距離の不足は「一瞬の放電」で、沿面距離の不足は「年単位で進む表面劣化」で事故になります。原因が違うので、対策も別物になります。

空間距離が足りない盤は、平常時はまったく問題なく動きます。ところが雷サージや開閉サージが乗った瞬間に空気が耐えきれず、相間で閃絡します。つまり試運転では絶対に見つからず、数年後の異常電圧で一度に壊れるタイプの不足です。

沿面距離が足りない盤は、逆に少しずつ症状が出ます。絶縁物の表面に導電性のほこりが乗り、結露や湿気で薄い導電膜ができ、そこに微小な漏れ電流が流れます。局所的な発熱で表面が炭化し、炭化した跡は導電性を持つのでさらに電流が流れる、という進行性の劣化です。これがトラッキングで、最終的には表面に沿って地絡・短絡します。

注意:「絶縁抵抗計で良好」は沿面距離の合格証にならない

絶縁抵抗測定は、その瞬間の絶縁物の状態を見ているだけです。乾燥した晴れた日に測ればほとんどの盤は良好値を示します。沿面距離の不足は結露した朝や、ほこりが積もった数年後に初めて顔を出すため、竣工時の測定値では判定できません。距離そのものを図面と現物で確認する必要があります。

空間距離は「サージに耐えるか」、沿面距離は「汚れと湿気に何年耐えるか」の話です。

絶縁距離はどの規格で決まるのか(JIS C 0704 は廃止済み)

低圧機器の絶縁距離を決める現行の基本規格は JIS C 60664-1:2009(IEC 60664-1 に整合)です。長く参照されてきた JIS C 0704:1995「制御機器の絶縁距離・絶縁抵抗及び耐電圧」は2009年10月20日に廃止され、JIS C 60664-1:2009 に移行しています。

2026年時点の状況 — 古い表がまだ現場に残っている

JIS C 0704 は廃止から15年以上経ちますが、社内標準や部品メーカーの技術資料にはいまも「JIS C 0704-1995 より抜粋」という絶縁距離表が現役で載っています。使うこと自体を否定はしませんが、対外的な仕様書や海外向けの盤で根拠として書くと、規格番号の時点で指摘を受けます。2026年に新しく図面・仕様書を起こすなら、参照先は JIS C 60664-1:2009 に置き換えるのが安全です。廃止された JIS C 0704:1995 の適用範囲は「周波数50Hz又は60Hzの交流1000V以下、又は1500V以下の電路で使用される制御機器」でした。

ブスバーの絶縁距離で参照する規格(2026年8月時点)

規格番号 名称 位置づけ
JIS C 60664-1:2009 低圧系統内機器の絶縁協調-第1部:基本原則、要求事項及び試験 現行。低圧機器の空間距離・沿面距離を決める基本規格
JIS C 60664-5:2009 低圧系統内機器の絶縁協調-第5部:2mm以下の空間距離及び沿面距離を決定するための包括的方法 現行。2mm以下の微小距離を扱う場合
JIS C 0704:1995 制御機器の絶縁距離・絶縁抵抗及び耐電圧 2009年10月20日に廃止(JIS C 60664-1 へ移行)
JIS H 3140:2018 銅ブスバー 現行。ブスバー材そのものの寸法・機械的性質・導電率

このほか、盤の種類ごとの製品規格(閉鎖形配電盤、キュービクル式高圧受電設備など)や、高圧側では高圧受電設備規程に離隔の要求があります。最終的な数値は必ず、その盤に適用される製品規格の最新版で確認してください。

ブスバーの絶縁距離で参照する規格(2026年8月時点)

JIS C 60664-1:2009 / 低圧系統内機器の絶縁協調-第1部

現行。低圧機器の空間距離・沿面距離を決める基本規格

JIS C 60664-5:2009 / 同 第5部(2mm以下の距離)

現行。微小距離を扱う場合に参照

JIS C 0704:1995 / 制御機器の絶縁距離・絶縁抵抗及び耐電圧

2009年10月20日に廃止。JIS C 60664-1 へ移行

JIS H 3140:2018 / 銅ブスバー

現行。ブスバー材の寸法・機械的性質・導電率

現行は JIS C 60664-1:2009。手元の絶縁距離表が「JIS C 0704」由来なら、参照先を更新する時期です。

沿面距離を決める4つの条件

沿面距離は「電圧」だけでは決まりません。電圧・汚損度・材料グループ・絶縁の種類(機能絶縁か基礎絶縁か強化絶縁か)の4つを決めてから、規格の表を引きます。このうち現場で見落とされやすいのが汚損度と材料グループです。

条件1・2:電圧と絶縁の種類

沿面距離では、サージのような一瞬の電圧ではなく継続的にかかる電圧(実効値)を見ます。トラッキングは時間をかけて進む現象なので、瞬間値ではなく定常的なストレスが効くためです。そのうえで、その絶縁が機能絶縁なのか、感電保護を担う基礎絶縁・強化絶縁なのかで必要量が変わります。強化絶縁は基礎絶縁より厳しい値になります。

条件3:汚損度(ミクロ環境の汚れ)

汚損度とは、その絶縁物のすぐ周囲(ミクロ環境)がどれだけ汚れるかの区分です。盤全体の設置場所ではなく、その絶縁部の周囲で判定するのが要点です。密閉された機器の中は、工場に置かれた盤であっても汚損度が低くなり得ます。

汚損度の区分(JIS C 60664-1:2009 の定義)

区分 定義 沿面距離への影響
汚損度1 汚損がない、又は乾燥時のみ非導電性の汚損が発生する 最も短くできる
汚損度2 非導電性の汚損が発生し、結露で一時的に導電性となる可能性がある やや長く必要
汚損度3 導電性の汚損が発生する、又は乾燥した非導電性汚損が結露で導電化する 長く必要
汚損度4 導電性のほこり、又は連続的な導電性を引き起こす湿潤状態 最も長く必要

一般的な受配電設備・配電盤の内部は汚損度2または3で設計されることが多いですが、区分の判定は設置環境と盤の密閉性・換気方式によって変わります。汚損度を1段下げれば沿面距離は短くできますが、それは「そのミクロ環境が本当にきれいに保たれる」ことを保証する設計(密閉・フィルタ・充填など)が前提です。

汚損度の区分(JIS C 60664-1:2009 の定義)

汚損度1

汚損がない、又は乾燥時のみ非導電性の汚損が発生する / 沿面距離は最も短くできる

汚損度2

非導電性の汚損が発生し、結露で一時的に導電性となる可能性がある

汚損度3

導電性の汚損が発生する、又は乾燥した非導電性汚損が結露で導電化する

汚損度4

導電性のほこり、又は連続的な導電性を引き起こす湿潤状態 / 沿面距離は最も長く必要

条件4:材料グループ(絶縁物の耐トラッキング性)

材料グループとは、絶縁材料の CTI(比較トラッキング指数)による区分です。CTI の数値が大きいほどトラッキングが起きにくく、同じ電圧・同じ汚損度でも沿面距離を短くできます。支持碍子・絶縁板の材質を変えることが、そのまま絶縁距離の余裕につながるということです。

材料グループと CTI 値(JIS C 60664-1:2009)

材料グループ CTI 値 耐トラッキング性
I 600 以上 最も高い
II 400 以上 600 未満 高い
IIIa 175 以上 400 未満
IIIb 100 以上 175 未満 低い

材料グループと CTI 値(JIS C 60664-1:2009)

材料グループ I

CTI 600 以上 / 耐トラッキング性は最も高い

材料グループ II

CTI 400 以上 600 未満

材料グループ IIIa

CTI 175 以上 400 未満

材料グループ IIIb

CTI 100 以上 175 未満 / 耐トラッキング性は低い

材料グループごとの CTI 下限値(グループ I を100%とした相対)

I
600
II
400
IIIa
175
IIIb
100

沿面距離は「電圧・汚損度・材料グループ・絶縁の種類」の4条件を確定してから表を引く。条件を書かずに数値だけ議論すると必ず食い違います。

空間距離は何で決まるのか

空間距離は、その回路に想定される最大のインパルス電圧(サージ)に空気が耐えられるかで決まります。したがって決め手になるのは、系統のどこに設置されるか(過電圧カテゴリ)と、公称電圧から導かれる定格インパルス耐電圧です。汚損度は、沿面距離ほど強くは効きません。

過電圧カテゴリは、その機器が受けるサージの大きさの区分です。受電点に近いほど、外来サージが減衰せずに届くため大きな値になります。配電盤・分電盤の主回路は屋内配線より受電点に近い側に置かれるため、末端の小型機器より厳しい空間距離が要求されます。

注意:標高が高い場所では空間距離を伸ばす

空気の絶縁耐力は気圧に比例して下がります。標高が高い場所に設置する盤(高地の工場、山間部の変電設備など)では、規格に定める補正係数で空間距離を割り増す必要があります。沿面距離は表面現象なので、この補正の対象になりません。「高地向け」と指定された盤の相間が広いのは、この理由です。

コツ:実務では「バーの縁」で測る

空間距離を図面で拾うとき、バーの中心線や取付穴の中心で測ってしまう間違いが起こります。放電はもっとも近い点と点の間で起きるので、測るのはバーの角(エッジ)から角です。角が立っていると電界が集中して放電しやすくなるため、端面のバリ取りと面取りは寸法以上の意味を持ちます。加工技術のページでは、当社の端面処理や曲げの考え方をまとめています。

空間距離はサージ(過電圧カテゴリと定格インパルス耐電圧)で決まり、標高で割り増す。測る位置はバーの角から角。

測り方のルール — 溝とリブで距離は変わる

沿面距離は絶縁物の表面をたどりますが、「小さすぎる溝は無視して直線で測る」というルールがあります。逆に、十分な幅のある溝やリブは経路長として算入できるため、狭い盤内で沿面距離を稼ぐ設計手段になります。

溝の幅 ≧ 規格の定める最小幅X → 溝の内面に沿って測る(距離を稼げる)
溝の幅 < 最小幅X → 溝を無視して直線で測る(稼げない)

この最小幅Xは汚損度によって変わり、汚れやすい環境ほど大きな値が必要になります。細い溝は汚れとほこりで埋まってしまい、経路として機能しないためです。具体的な数値は JIS C 60664-1:2009 の測定規定(附属書)で、適用する汚損度の欄を確認してください。

リブで沿面距離を稼ぐ考え方

【平らな絶縁板】沿面距離 = ほぼ直線距離
   ●───────────────────────●
   R相                      S相

【リブを立てた絶縁板】表面を登り降りする分だけ経路が伸びる
              ┏┓
   ●──────────┛┗──────────●
   R相                      S相
   → 同じ取付ピッチのまま沿面距離を長くできる

溝とリブは「距離を稼ぐ部品」。ただし規格の最小幅を満たしていなければ、図面上で長くても算入できません。

盤内で絶縁距離を確保する実務の工夫

絶縁距離が足りないときの打ち手は「離す」「絶縁物を挟む/覆う」「材料を変える」「汚損度を下げる」の4通りです。盤の寸法を変えられない案件では、後ろの3つがブスバー側の工夫になります。

絶縁距離が足りないときの打ち手(検討順)

  • 相間・対地の寸法を広げる…最も確実。ただし盤が大きくなる
  • 絶縁バリアを挟む…相間に絶縁板を立て、空間距離の代わりに沿面経路を長く取る
  • ブスバーを絶縁被覆する…粉体塗装、熱収縮チューブ、絶縁テープなど。露出部を接続部だけに絞る
  • 支持物の材質を上げる…材料グループの高い(CTIの大きい)碍子・絶縁板に変える
  • 汚損度を下げる…盤の密閉度を上げる、フィルタを付ける、結露対策のヒータを入れる
  • 端面を仕上げる…角の面取り・バリ取りで電界集中を避ける

被覆による対策は特に効果が大きい一方で、被覆すると放熱が悪くなり許容電流が下がるという副作用があります。絶縁距離のために被覆したら、断面積の見直しが必要になることがあるという点を、設計の早い段階で見込んでおいてください。銅ブスバーのメリットのページで触れているとおり、銅は放熱面でも有利な材料ですが、被覆はその利点を削ります。

注意:接続部が絶縁設計の弱点になる

被覆したブスバーでも、ボルト締結する接続部は導体が露出します。絶縁距離が最も厳しくなるのは、被覆のない接続部・端子部です。ここにボルト頭・座金・工具が入る余裕も同時に必要なので、被覆の設計は「どこを露出させるか」から逆算して決めます。露出部にはカバーを追加するのが一般的です。

コツ:点検で距離が縮む場所を先に想定する

竣工時に規格を満たしていても、運用で距離が縮むことがあります。増し締めで座金が回って隣に寄る、追加工事で電線が相間を横切る、ほこりが絶縁板の隅に堆積して沿面経路を埋める、といった例です。サーモグラフィ点検や増し締めの機会に、相間と対地の隙間に異物・堆積物がないかも一緒に見る運用にしておくと、絶縁側の劣化を早く拾えます。

寸法を広げられないなら、絶縁バリア・被覆・材質・密閉度で稼ぐ。ただし被覆は許容電流とのトレードオフです。

図面・発注時に伝えてほしい情報

絶縁距離に関わる要求は、ブスバー単体の図面には現れないため、言葉で伝えていただく必要があります。当社(株式会社石垣商店・名古屋市守山区瀬古)では、変圧器・配電盤・受配電設備・電池関連向けの銅ブスバー加工を行っています。次の情報があると、絶縁を含めた提案までお返しできます。

お問い合わせ時にいただけると助かる情報

  • 回路電圧と用途…低圧か高圧か、主回路か制御回路か
  • 設置環境…屋内/屋外、粉じん・結露の有無(汚損度の判断材料になります)
  • 絶縁の方法…裸のままか、粉体塗装か、熱収縮チューブか。未定なら「未定」で結構です
  • 露出させたい部分…接続部・端子部の位置と、ボルトサイズ
  • 取付ピッチと相間寸法…確保したい絶縁距離の目標値があればその数値も
  • 適用したい規格…JIS C 60664-1、社内標準、客先仕様など

図面が完成していない段階でも、手書きのスケッチや現物写真からご相談いただけます。材質・質別・板厚の選定や、銅ブスバーへのめっきを含めた接続部の仕様についても、あわせてご提案します。

2026年の材料事情もあわせて

2026年は銅相場が高値圏で推移しています。LME銅は1トンあたり13,000ドルを超える史上最高値圏まで上昇し、国内の銅建値も2026年6月時点で1トンあたり229万円という水準が示されました。背景には鉱山側の供給不安に加え、AI・データセンター向けの受配電設備、送配電網の増強、再生可能エネルギー投資といった「電化」由来の構造的な需要があります。絶縁距離を確保するために断面積や被覆仕様を変えると材料費に直結するため、絶縁設計と断面積の検討は同時に進めるほうがコスト面でも有利です。

絶縁距離は「盤の要求」であってバー単体の寸法ではありません。環境と絶縁方法を一緒に伝えていただくのが早道です。

よくあるご質問

沿面距離と空間距離の違いは何ですか?

空間距離は2つの導電部の間の空間(空気)における最小の距離、沿面距離は2つの導電部の間の絶縁物の表面沿いの最小の距離です(JIS C 60664-1:2009 の定義)。空間距離は雷サージなどの過電圧に対する気中放電を、沿面距離は汚れと湿気による表面のトラッキングを防ぐためのもので、同じ2つの導体に対して両方を確認する必要があります。

JIS C 0704 の絶縁距離表は今も使えますか?

JIS C 0704:1995「制御機器の絶縁距離・絶縁抵抗及び耐電圧」は2009年10月20日に廃止され、JIS C 60664-1:2009 に移行しています。社内標準として運用を続けることは可能ですが、対外的な仕様書や新規設計の根拠として書くと規格番号の時点で指摘を受けるため、2026年時点では JIS C 60664-1:2009 を参照先にすることをおすすめします。

汚損度はどこで判定するのですか?

汚損度は盤の設置場所ではなく、その絶縁部のすぐ周囲(ミクロ環境)で判定します。そのため、粉じんの多い工場に置かれた盤であっても、密閉された機器の内部であれば低い汚損度を適用できる場合があります。ただし低い汚損度を適用するには、その環境が実際にきれいに保たれる設計(密閉・フィルタ・結露対策)が前提になります。

絶縁物に溝を付けると沿面距離を長くできますか?

できます。ただし規格が定める最小幅を満たす溝でなければ、溝を無視して直線で測る扱いになり、距離として算入できません。この最小幅は汚損度によって変わり、汚れやすい環境ほど大きな幅が必要です。細い溝はほこりで埋まって経路として機能しないためで、具体的な値は JIS C 60664-1:2009 の測定規定で確認してください。

ブスバーを絶縁被覆すれば絶縁距離は気にしなくてよいですか?

いいえ。被覆は空間距離の要求を緩める助けになりますが、ボルト締結する接続部・端子部は導体が露出するため、その部分では絶縁距離の確保が必要です。また被覆によって放熱が悪くなり許容電流が下がるため、被覆を前提にする場合は断面積の見直しも同時に検討してください。

標高が高い場所に設置する盤では何を変えますか?

空間距離を規格の補正係数に従って割り増します。空気の絶縁耐力は気圧が下がるほど低下するため、高地では同じ寸法でも気中放電が起きやすくなります。一方、沿面距離は絶縁物表面の現象なのでこの補正の対象になりません。高地向けの盤で相間が広く取られているのは、この空間距離の補正によるものです。

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図面1枚から、手書きスケッチや現物の写真でもご相談いただけます。試作・小ロット・短納期にも対応しています。

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