コラム

銅バーの許容電流|厚み・幅別の目安と設計時の考え方

銅バーの許容電流について

銅バー(銅ブスバー)の許容電流は、
変圧器・受配電設備・制御盤などの設計において、
安全性と信頼性を左右する重要な要素です。

一方で、

  • ネット上の数値がバラバラで判断に迷う
  • 「目安」と書いてあるが、根拠が分からない
  • 自分の条件にどう当てはめればよいか分からない

といった声も多く聞かれます。

本記事では、規格資料に基づく考え方と、
実務で使われる基準値(目安)を整理してご紹介します。


許容電流とは何で決まるのか

銅バーの許容電流は、
断面積(厚み×幅)だけで一意に決まるものではありません

基本的には、次のバランスで決まります。

  • 電流による発熱(I²R)
  • 周囲への放熱条件
  • 結果としての温度上昇(ΔT)

つまり許容電流とは、
「許容できる温度上昇内に収まる最大の連続電流」です。


許容電流の基準となる前提条件

以下の条件は、DIN系バスバー設計思想や、
メーカー公開資料で一般的に用いられている前提です。

  • 材質:銅(C1100 / C1020 相当)
  • 周囲温度:35℃
  • 許容温度上昇:50K(導体温度 約85℃)
  • 設置条件:空気中・自然放熱・単体

本記事の数値は、あくまで上記条件における基準値(目安)です。


銅バー 許容電流の基準値(目安)

以下は、上記条件における
銅バー許容電流の代表的な基準値(目安)です。

断面積
(mm²)
例(厚み×幅 mm) 許容電流目安
(A)
60 3 × 20 約170
80 4 × 20 約210
100 5 × 20 約250
150 5 × 30 約330
200 5 × 40 約400
250 5 × 50 約470
300 6 × 50 約550
400 8 × 50 約680
500 10 × 50 約800
600 10 × 60 約920
700 10 × 70 約1,020
800 10 × 80 約1,100
1,000 10 × 100 約1,300
1,200 12 × 100 約1,450
1,500 15 × 100 約1,650
2,000 20 × 100 約2,000

※ 上記は設計値ではなく基準値(目安)です。
盤内設置・密集配置・周囲温度が高い場合は、必ず減額して評価してください。


温度上昇が異なる場合の計算方法

設計条件によって、
許容する温度上昇(ΔT)を変えたい場合があります。

この場合、実務では次の近似式が使えます。


I₂ = I₁ × √( ΔT₂ / ΔT₁ )

  • I₁:基準表の許容電流
  • ΔT₁:基準の温度上昇(例:50K)
  • I₂:設計条件での許容電流
  • ΔT₂:許容したい温度上昇

【計算例】
基準:800A(ΔT=50K)
設計:温度上昇を30Kに抑えたい場合

800 × √(30 / 50) ≒ 620A

このように、
条件に応じて合理的に換算できます。


設置条件による補正(実務的な考え方)

放熱条件が悪くなる場合は、
安全側の補正をかけることが重要です。

  • 空気中・単体:×1.0
  • 盤内設置:×0.8
  • 密集配置:×0.7
  • 強制空冷:×1.1〜1.2(要条件確認)

数値は「決め打ち」ではなく、考え方が重要です。


そのため、許容電流そのものの設計判断は、
基本的にお客様側で行っていただく前提となります。

一方で、加工現場の立場から、

  • 指定された厚み・幅で加工上の問題がないか
  • 実績上、よく使用されているサイズか
  • 盤内使用を前提とした場合の注意点

といった観点での確認や助言は可能です。


銅バーの許容電流・寸法についてのご相談

石垣商店では、設計計算そのものは行っておりませんが、
ご提示いただいた図面や仕様に基づき、
加工可否や実績上の注意点についてお答えすることは可能です。

図面段階・検討段階でも、お気軽にご相談ください。


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